ここにおいてついにオヤシロさまが着てくれちゃったいましたので、
私の物語をはじめたいと思います。

私的メモ

園崎詩音○R1
園崎魅音○R1X

前原圭一●Y1

北条悟史○1Y
竜宮礼奈○1Y
鷹野三四●1Y

北条沙都子●D2
古手梨花○F

富竹
入江京介●X
大石●

姉妹 園崎
兄妹 北条
姉弟 ・・
兄弟 ・・



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その日も楽しく部活を終えて何故か両親に早く帰ってくるように言われていた
ので一人で興宮から雛見沢に向かう道を自転車で走っていた。
小学校で現地解散のあと、レナに買い物を誘われたが今考えると断らなければ
ならない程の大事があるとわかっていなかったのに悪いことしたな惜しかった
かなとも思う。
けれど、現実には直感的に両親の物言いに何かしらの危険な匂いを感じ取って
いて自分は素直にこうして帰宅中だ。

誰一人いない田舎の特に珍しいものが見える場所でもない道、雛見沢の入り口
のここで一台車が停車していた。一人車外で車にもたれかかってタバコを吸う
女性がこちらを向く。そして圭一の姿認めると一言。

「あれ」

目が合ってしまった相手を無視して行けば明日はきっと血の雨が降る。一瞬で
誰かと理解し即座に否定した。だってここに居るはずないと、振り向いて再度
確認して認識した。

「うわ」

逃亡。
全力で、狩人に追いかけられる獲物の心境は冷静ではいられない。

「わぁぁぁぁぁぁぁ、はっ・・・ぁぁっ」

後方で何やら怒鳴り声、少ししてからエンジンの音聞こえた。もう少し行かな
ければ路地なんてない数百メートルは悪路だけしかない雛見沢の入り口付近で
は簡単に追いつかれてしまう。
でも分かれ道はある、地の理だけは有利のはずだった。
あの女はきっとその不利を感じちゃいない。
きっと俺より早く来る、出し抜かれる!だから諦める?まさかこんなに早く帰
ってくるなんて・・・考えてていいことじゃあなかった。
スピード緩めること忘れたままカーブへ進入をしてしまった、進入角もギリギ
リいつも通りの筋道、それではいけないというのに。
突然不安定になるバランス、気が付いたときには手遅れだった。

ガッシャーーン

受身しないまま数回転、転倒しまだ立ち上がれないで居ると近づいてくる
ものがいた。
観念するしかない?
冗談じゃ・・あああああああああああ!ぶつかる、ブレーキ、ブレーキは!?
減速は手遅れだろう位置、カーブの外周滑って道端の圭一を轢き殺しかねない
勢いだった目の前で急停止した車、降りてきたのはさっきの女性。
その手にはまだタバコがあった。

「はぁーい」

「どなたですか?」

「・・・・。まーたダチんち逃げ込もうとしたんでしょ、アリャまだ出来ちゃ
ないかな。前原圭一くん?」

「残念ながらもういるよ。それに見抜いてたなら大人気ないことするな。追突
しそうになってるじゃないか・・・俺わざと道を何本も迂回したんだけど。
村の中を暴走してきたんじゃないだろうな」

「しないよ。必要ない。圭一の姿を見失うはずないじゃない、この私を誰だと
思っているの?」

幼い頃もう記憶の最初から母よりも強烈に残ってる。
愛してる。
そう本人は言うけど、俺にとってはトラウマで逆らえないと知っているんだ。
きっと俺が相応の年なら反発して家を出て行くはず、だが現実にはこの女が先
に飛び出していった。

「それに何!私の顔見て逃げるだなんてね」

おっきくなって帰ってくるからね、別れは寂しいだろうけど泣かないでいい子
にしててね。そう言って出て行ったときは信じられなかったけれども、それか
ら一年以上経つとさすがに帰宅時に何処から飛び出てくるかと警戒などしなく
なっていた。でも体は覚えてた。前原美恵という天敵を。

「私みたいな美人がいたなら視線くぎ付けであるべきでしょ」

「猛獣なんかと誰が視線合わせるか!つまんないボケだなあ」

「生意気に成長してやがったねえ目を離した隙に。男子3日会わざれば刮目し
て見よかね。あたし好みの少年に道案内頼もうとあそこで待ちぼうけだったん
だぞ、車なんて通りゃしないし。年よりばっか出会うし」

「どれだけ待ってたんだ?」

「30分ぐらい。新築の前原さんちは有名らしいと聞いたけど人がこんなに来な
いと危うく適当に狩・・いやいや日本じゃそれはちょっと。うーん」

タバコ捨てて流れる髪をいじって曖昧な表情だが、絵になるのは驚きだと改め
て思う。見た目に騙されるのも仕方ないだろうか?
誰だろうが無視できない綺麗な人なのだけど、棘持ちどころか針そのもので抜
けない棘。人の手による凶器。つり針だ。それもとびきり凶悪なやつ。

同姓だが姉ではない。
従姉妹でもない。
最も苦手とする相手、叔母・・・おばぁちゃ

「いてぇっ、痛い、痛い・・」

「圭一いやらしい目で私を見たでしょ。ませちゃってえろぼーず」

「誰がみるか、おば」

「んっ、んんん?なぁーに?きこえんなー」

「っ、死ぬっ、やめろぉ。美恵ねえ」

「ご無沙汰で尊称をつけ忘れてるなあ、言ってみ。お美しい美恵お姉さまに抱
擁されて泣き出したいほど嬉しいとね」

「傷に触れんな息ふきかけるな」

圭一が大げさに飛び退いて距離取るとお遊びは此処までとでも言う風に笑って
言う。カギをガチャと開けてタバコ捨てた。

「あぁもう仕方ないな、自転車積むから助手席にはいんなさい・・・こら文句
言うな。すり傷くらいで男の子でしょ」

車内は意外にも清潔にだった。おそらくはレンタカーなのだろう、彼女の性格
を考えると伝手による新車かもしれない。タバコの匂いは微かなものだった。








TIP/PAGE.02


雛見沢到着から三日は何事もなく家で大人しくしていた。大騒ぎしていたのは
主に圭一だけで美恵が音もなく圭一のベッドに潜り込んだり、四六時中抱っこ
するのは前と変わっておらず前原夫妻は息子が可愛がられるのを見ていた。

姉たちも圭一を奔放に育てる決心をようやくしたようだ、安心できる。
だってこの子は似ている。
私にも似ているしあの子にも似ている、刺々しくなくなった圭一に聞くことも
話す事も沢山あったけど私の身上の話はつまらないので時々にだけ、東京の仕
事仲間がじーさんばかりで面白くないとかその程度だけ。

「で?外国行ってると聞いたんだけどアメリカだよな?確か」

「まーね、行きたいなら藍子を説得して今度ね。あぁでも・・・もてもての圭
一くんにはもっと難しい説明相手が居たっけね」

「・・・・」

「むすっとしてないで名前ぐらい教えなさいよ、あの子」

「レナだよ。それであんたは何時までここに居るんだよ」

「別に決まってないよ」

「タバコも吸ってさ何か向こうであった?」

「いんやこれはあいつらの影響さ。仕事はあるよ、何だっけ環境観光振興とか
長い肩書きの持ってんだけど」

「役所の?嘘だろー肩書きだけ誰かから借りてんじゃん」

「む、失礼な確かに下っ端ではあるけど。あ、明日は私も学校についてくから
朝はゆっくり出来ないなぁ・・・何?不思議そうな顔して」

「はぁ、あのさ学校に、なんで?」

「あたし挨拶まわりしてたのよ、知らなかった?明日は圭一の通う学校と午後
からは医院に行く予定。だから一緒に登校♪うんうん両手に花だねぇー・・・
圭一くんっ。ウフフフフ」

「な、なにぃっ!」

面白いのはこの村に着てからの圭一の変化だった、初日から数名も仲の良い女
友達をつくれたらしい。話題は尽きない。
昔からの友達のように、時間など関係ないかのように、でも私はわからない。
不思議だと思った。
私に似ているこの子が本当に信用しきってるのは、再開前では考えられない。
いたずら女王沙都子に末恐ろしい巫女梨花のコンビには面識ないが、竜宮礼奈
と言ういつも迎えに来る女の子はたぶん。
ダム建設現場跡で見かけた。
楽しそうに慌ててくれる圭一、そうかそうだね。でもだよ初心な少年よ、両手
が荊に囚われてる自覚がないのは幸せとはいえないのよ。女は怖いからね。
私にとっては遊戯になるから止めたりしない。
いつも途中で合流して登校するもう一人の女の子、園崎魅音はライバルだけと
思ってしまってては後の進展はないのだろうね。
この子には私は面識ではなく、数枚の書類で伝え知っていた。

「それではーわたしは明日にそなえ寝ちゃうので」

「おいっ」

背中にかけられる静止を捨て置いて階段登る。
自分の部屋に逃げ込んで、煙に巻いた。
これ以上話す必要などないし、挨拶まわりなど口実だと不信に思わせないため
に、だってそう・・・短期間だけ滞在しに来たのだから。綿流しの日まで。
昨日今日と村の全域をまわった。
半分も把握できていない不安はあったが些細なことだと思う、本当に大切なの
は人と人との繋がりなのだから新参者の私に調べれるはずがない。
待にあわないかもしれないな・・・。

『雛見沢は三年続けて死者行方不明者を出している、一村単位では特異な場所
であると言わざる得ない。一度は打ち切られた捜査には違いなかった。
倉庫の奥にしまわれて埃が積もるだけとなる予定だったのだが、日の目を見る
のは意外に早かった。
きっかけは私の帰国からすぐに、姉妹の藍子とその夫伊知郎から引越しのお知
らせが来たことと私の仕事場が変更されたこと。

爺ばっかの・・・おっと失礼、紳士ばかりの職場でお茶汲みを嫌った私が現地
調査を申請し派遣が叶った先が曰くつきの村。そして前原一家の新しい住居が
ある少しばかり有名なそれでも辺鄙な田舎の村。
ちょうど圭一の成長を見たかったのもあったし、初めての外国出張から帰国し
住まい決めの面倒を嫌っていたから、また姉妹の世話になろうとした結果でも
ある。海外で出会ったエキスパートたちの事件解決を見てきた私、今度は自分
自身の力でそれを行ってみようと思っていた。そしてS号と呼ばれる存外に深
そうな闇を見つけ暴く決心を固めた。

決意に揺るぎはないが今は少し考えを変えている。

オヤシロさまと鬼と人、昔話ではなく何時の間にか産まれひっそりとしかし確
実に生き続けてる雛見沢の噂。夜の到着にも関わらず一番近い興宮では私は見
ず知らずの旅行者であるはずなのに。引き寄せられるかのように刑事やらヤク
ザやらとお知り会いになってしまった。
極めつけは中々お目にかかれない凄惨な死体報告書、これほどのものが出てく
るとなると、まだまだ続くのだろう』

真っ白なノートにつづられていくのは家族たちの知らない美恵の事情、圭一に
対しても観察日誌のような書き方。暖かくて意地悪で少しお茶目な叔母の顔は
美人であるゆえに怖いほどの大人の雰囲気がでている。
・・・ノックはするんだな、少年。

「電話だ」

「誰からー」

「麻雀の誘いだろ酔ってて答えてくれないんだよ、美恵ねえさんはオジサンさ
ん達にもててるんだなー」






叔父の行方不明。







私、前原美(ナ)恵が

親類の前原圭一は生まれつき特異な才能と精神を持っており
この異質な者達が住む土地に馴染んでいた。
それだけで今回の調査には、彼と彼に連なるものたちの協力が得られることが
重要と考えられる。

』


そう、私が何をしてるかといえばダムの亡骸を










始まったわけじゃない。
ケイゾクされているのだ。







、観光資源、旅行みたいな・・・視察とか本人は言う。

家では出会いで、破れほつれた圭一の服を直して幸せそうにしてみたり
子どもは確かいたけど親権放棄したと聞いた。

野暮なので聞きはしない。子どもだと自覚してる








/


朝の光の中で大きく息をして、頭を切り替えた。
もうここは狭苦しい以前いた場所ではないのだと、そう分からせるために自分
のすべてを変えたのだと知らせるために。

「ふぅぅぅぅ」






職業年齢ともに不詳、もう三十路越えのはずと圭一が漏らしていたが
間近で見ててもとても信じれない。














/

ばーさす入江
メイドK_TASO

二人は仲良く、人を弄るのが好きだった。人とか人の尊厳とか、自尊心とか、存在価値とか。













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前原
素敵叔母さま
圭一の叔母さま