<本文2>シリアス分はむかつく、はっちゃけ書きたいのにさ。 ■前半 恋人。愛人。姉。姉でいこ ひらりんと降り立った。 徒手 姓は青山、名は鶴子。 真鳴流と止水の攻撃は恐ろしかったが、 一番の破壊力持つのは性格、魅力溢れ 振る舞い、惚れた弱みかもしれないが綺麗なんだ。 笑顔で心を折ってくれた人、約束を ■後半 免許皆伝、それは歴史上数えるもの居ない前人未到の若さでの鶴子が得た名声。 実力を発揮し同業者たちからも信頼を得た。 「帰りました。素子はまた稽古か精がでますなあ」 「はい」 ついと目線向けると妹の素子が喜んでいて、前途は洋々のはずだった。 「依頼?珍しおすな」 東に仕事に出るんは初めてのことやった奥州、何か面白いもんあるやろか? いつものように家を出た。 一人雑踏を涼しげに歩く和装美人に視線が集まっていたが悠然として気にしない。 乗客の少ない路線、バスの待ち時間も一時間先だったので休憩をとった。 近くに村の公衆温泉が湧いていると聞いて骨休めをした。 そうしたら結局、到着は午後4時過ぎていた。 ここは日本か思うほどいくら何でも辺鄙すぎやしないか、村役場に赴いた。 「青山にご依頼されたのは地主さんで?」 「いえいえ。名義は村長の大伯母さんですが先日県の病院に入られまして」 「それでこの地方の伝説から知っておきたいやけど、何も未だ起きておへんやろね」 「ええ、ですが今度県の事業で立ち入りが100年以上禁止されていた森にはじめて入るもので」 役人兼農家らしい、農機具を整備していた。 「若い姉ちゃんやな巫女さんか」 「ちゃんと持ってきとります、うちの流派は実戦派ですからな下調べはしてはりますか?」 「まあねえ。ぼちぼち」 地図を指して山三つと小川の地名を読み上げていく。 醂川、古箕岳、古鬼縫・・・どれも昔からあるものでその近くに人家はないようだ。 「それで地主さんの要望が出たんです。京落ちした貴族が鬼となったと言われてる森、人間が 入ったら出られない。そんなふうに伝わっていますんで京の名家に知り合いおるとかで・・・ 一応資料館あるんでご案内しますわ」 「こちらがいわくつきの壷、そして鎌」 鬼の洞窟にあったという物はどうも偽物ばかり、隠してる事情を話してくれやしまへん。 探偵はんみたいなことして、うちは何しに来たんやろかと思い始めた頃 調査と一緒に なーんもあらへん。あらへんかった。 「滅茶苦茶だーーーーっ」 「秘湯だよ景太郎この位の獣道当然踏み越えて行く価値があるに違いないよ、さぁ」 この老人できる!今回の仕事に関わっているとすれば厄介な話や。 本当に只の旅行やろか、孫らしいあの少年は苦労してそうだ・・・ほんまかなわんなあ。 地すべりに巻き込まれてよくもまー、無事に景太郎といた。 山中の祠に休むと目的地が見えた。 作られた洞窟は神聖な感じがしていたが、裏切られた哀れな亡霊がいた。 素子を重ねてしまう 涙を流して切らなければならなかった。祓いたまえ。清めたまえ。 安らぎを与え・・・たる、私があげる。 「鶴子さん本当に契るんですか・・」 「ここまで来てもっさい人やね、みとおみ景はんのここいちびってよろしおすか? 言うたやろ?好きやってずっと待たせて、貯まった分だけ激しく愛しておくれやす」 「や、やめて・・・。鶴子さんには俺なんて勿体無すぎます」 「いい言うてますやろ観念しいや。あんさんの運命改変はきついんやで、ここまでうちにさせて 一生愛してくれへなんだら死ぬまで泣きます。ややこくれたら嬉泣きます。さぁようけなかせておくない」 景太郎の頭を服脱いだ胸に抱きしめて、倒れこむ二人の影。