◎四話 (入れ替わりはこの話で終了、長引くと、原作に準拠が難しくなるし、ま、完璧準拠とまでは無理なのは承知) 前半あかり視点で。 大人しいヒカルに両親、特には母は『来年は中学、落ち着いてきたのね』と歓迎。生活は順調、波乱なし。 中身が『藤崎あかり』という点を除いて。 「でさ、いつ行くの?学校終わったあとだと時間足りないし」 「やっぱ土曜かな、っておいコラああもうわかったって」 「誰か居るの?」 「あ、あはは・・こっちの話。大丈夫だって、ばれてないって、そっちは大丈夫か?」 「ヒカルと違って平穏な毎日を送っておりますう、そいえばテストは意外と良かったね、頑張ってくれたんだ?」 「まぁな、オレだって・・ってもうお前は。時間は九時、場所はオレんちで、自転車で行く、じゃな」 「?」 あかりのエピソードを中心に、何かエピソードを。 あかりはヒカルと比べて大人しい、やんちゃという言葉が似合う彼とは違うと周りには思われていたが ヒカルが絡むとそうでもないらしい。人の機敏に人一倍鈍い彼に対しては結構遠慮なしの制裁が行われたりする。 後半ヒカル視点で。 波乱多し、生活する上で急に話し掛けてこられる事は危険極まりない。 禁止しても構わず何でも聞きたがる奴 そのせいで何でもないものだったり、ひとを説明しなくてはいけない。 変な視線を集めることになるし・・・そりゃそうだろう。 姿格好が『藤崎あかり』で、男言葉で。 友達と話しするのもいつボロがでないとも限らない、体育はさすが持って生まれた性格と発育の良い体で女子達の中では色々と厚遇されたけど。 この時期、あかりの習慣となっていた『何か飲みたいときは牛乳』その良さを知り元に戻ってからも続けようと決めた。 体育の時間はドッジボールで活躍したりして。 「やりーっ、あかり調子良いね」 「まあ、ね。ちょっと休憩してる」 「じゃ交代誰か入って、藤崎さん大活躍ね」 「もちろん」 外野に移り、サヤカたちと談笑。 晴天の下でもはっきりと存在する幽霊は外野で観戦。 近くに居ると現実の物や人と重なって紛らわしいので、今は離れているようにと言いつけてあった。 「平安時代も屋外の遊戯は玉を使ったものです、江戸時代も。何時の時代もなくなりませんね」 「そうだろ、たいして変わらないよ。でも考えてみるとホント良かったよ、 お前がそのケマリ?とかに拘っていたら、スポーツ選手目指さないといけないからなぁ」 「むっ、碁を馬鹿にしてません?」 「あー・・・してない、してないったら」 まだ碁には思い入れ少ない。 塔矢アキラは同い年でプロになると言ってたが、真剣に取り組んでいるんだな、と思うだけ。 祖父の蔵へ、佐為が千年何時居ていた碁盤を横目に曰く付きの物品を漁る。 「やったー元に戻ったぁー」 「ふぅーーこれで・・」 『・・・しくしく、どうしてまだヒカルに』 「ぅ」 「ヒカル?」 顔青くして視線を声が聞こえた方向にむけると、もはや見慣れた白い服と烏帽子の囲碁馬鹿幽霊がため息ついていた。 泣きたいのはこっちだというのに、それにこいつが泣くと・・・気分悪くなる。 「大丈夫?また倒れたりしない?」 「ああ」 耐性ついてきたし、にしてもさめざめと泣くほどイヤなら他の奴に移れ。何時まで人の精神に居候してるんだ。