◎七話<あかり視点で> 中学入学してヒカルとは別のクラス、部は決めていないけどヒカルと会話し筒井と顔見知りになる。 三谷はまだ。 ヒカルの家に遊びに行くことも少なくなっていた、碁盤はまだないし、囲碁部に正式入部してないし。 「囲碁教室に通おうかな?」 「通えば?」 突き放した言い方が可愛くない、碁ばかりのヒカルに膨れっ面のあかり。 「通うよりヒカルと打って」 「ええ〜っ!あかりと〜?」 佐為との時間もなくなるし、中学生になって女子と男子、互いの距離が益々離れたというのに一緒になんて。 「たまには」という結論。 『あかりちゃんと打ってあげたらよいじゃないですか?』 「でも・・・塔矢に追いつきたいのに、あいつと打ってる時間なんてないだろっ」 『・・・そうですか、ヒカルがそう言うのなら』 まだ勉強はじめたばかりのヒカルが彼女に指導碁打つのは拙いですし、いわんや人の恋路ですしねぇ・・・。 佐為の存在に一番はじめに気がつくことになるあかり、佐為とのファーストコンタクトはまだ先。 幼馴染の家を訪ねると不在、でも母親が行動把握しているので書店へ。 ヒカルを見つける、珍しいフロアで。 「趣味・・・何?ヒカル、本当に熱心ね」 手にマンガを二冊と碁の本を一冊、購入。 囲碁部に入って対局相手に筒井先輩を得たとはいえ、ヒカルはまだ弱い。 塔矢アキラとの差は止まれば開くばかり、自分が打つと言っていた佐為も何故か応援してくれる。 これはその第一歩。 加賀に横取りされ破かれた本、佐為も惜しんでいたし。 詰め碁の監修は塔矢名人、佐為がライバルの足跡から学ぶためにも、ヒカルが碁を学ぶためも必要だった。 自宅から少し離れているが祖父に会いに行けば、囲碁上達のために手を貸してくれるだろうけど・・・ クツワ町の井上さんに勝った自慢話は聞きたくないし、互い戦で勝つまで頼る気持ちはなかった。 両親は碁にはまったく興味ないらしいので、一人で・・・実際には佐為と共に碁を学ぶことができそうだ。