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新都。 この名前が定着したのはビジネス街と機能しはじめてからで、川を隔てて向こう側には今も冬木本来の姿 がある。住宅街に少しの農地が入り混じっている、対称的に新都には過去の冬木市の名残が全く残ってい ない。近代的な高層ビルの集合は、前回の聖杯戦争のクライマックスある魔術師の決断により生まれたの だが、コンクリートと鉄とガラスの塊は魔術的に優れているとは言えない。 一定の条件下で死地が出現してしまう所もできた、システマテックだが人工的過ぎて月夜は人が少ない。 三人の魔術師たちが西方より訪れた時には、まだまだ人口も少なく何より今に比べて川が平地に対して 多かった。彼らが目をつけた場所には既に柳洞寺が存在していたが、教会の手が追いつく前に占拠して 行った聖杯戦争。 「初めてとはいえ聖杯に注ぐものを用意できなかったはずないし、急いでいたからって失敗するなんて それこそ十に一つもない。 裏切り者でも出たのかしらね、マキリとか? キリツグがアインツベルンに持って来てくれれば問題なかったのに、サクラは来るかな?」 「前回に続いて今回も出てこない者の動向など気にする必要はありません。サクラに何かあるのですか? しかしキリツグの考えはわかりませんね。 前回の失敗は悔やみきれない、マスターが壊れてしまった理由思い当たりません」 「王様。戦場に向かうからって気が立っていてよ。 私に戦意高揚させたいんでしょうけど、キリツグは帰って来ないわ・・・もうね」 寂しそうにイリヤは呟いたがビル風が掻き消し物憂げにさせる。 真新しい建造物である高層ビルになんて石ころにすぎない、来る気なんて無かったが誘われてしまった。 断れないのは一度誘ったこちらから振ってしまったから、キャスターに足止めされたのは今もプライドが 傷ついていた。 屋上の防犯システムを無視して下界眺めていた、小さなレディを待たせる相手は 色気ない同性の黒髪女の子。 遠坂家当主とそのサーヴァントのアーチャー。 稀代の血統その正統な後継者であるイリヤ・スフィール・アインツベルンを聖杯戦争の表舞台にあげた 油断ならない相手。 「待たせて悪いわね、寒かったでしょう遠坂凛?」 「それほどでもないわ。アーチャーを有利に、セイバーを不利になるように仕向けられないマスター なんて無能でしょう。いくらでも待つし、来なければ追跡者として仕向けもするわ。 あのエミヤキリツグをあなたがそうしたように」 「リズとセラには怠けを叱っておいたわよ、だからこうしてリアだけ連れて来てあげたんだから」 セイバーを伴うアインツベルンの相手する凛を笑って哀れんでいたが、父親のことを出されてカチンと きた様子。体の刻印が輝く。 みな武器持て歓喜を叫べ神秘の塊、人の形をした超常兵器が人の知の結晶を破壊する聖杯戦争。 「撃てアーチャー」 「狙ってガント撃ちなさいよ無駄球が多い、セイバーには効かないってわかってないの? 凛をまず、きゃ!きゃぁぁ!」 「イリヤ、このっ!!風王・・。吹き飛べっ!」 「後退しちゃったわ、恥ずかしい。悔しいね?セイバー。 でも鳥程度じゃ驚くに値しないわよ、使い魔にしてマスター狙ってくるのは優雅じゃないし・・」 遥か上空から急降下してきた鳥の群れは宝石を持っていた、見た目派手で初撃から凄まじく高度な攻撃。 数は多かったが、かすり傷も負わせない程度でイリヤの敵ではなかった。消費した宝石にとっておきは なかったもののムカッとくるほど、単純な力の差、魔力の差に嫌気がさす凛。 「アーチャーの姿が見えないけど凛も何処かしら・・逃げたとしたら失望したわね。 聞こえてるわよねぇーーー凛。 私のセイバーと戦えるのかしら、名前も知られないまま消えるサーヴァントは」 隣りのビル、と言ってもかなり離れている場所から撃たれた弓矢がイリヤの障壁に揺らす。 セイバーの衝撃波を放つ折に隣りのビルに移っていたみたいだ。 「あーあさっすがセイバーよね、今の宝石にしたら一ヶ月楽できそうなくらい良い値だわ。 それでアーチャー、地面に沈めれるかしら?」 「造作も無い」 「天地を縫う神のいかずち、そして水の渦」 それは宝具としても異質、文明社会ではお目にかかれない形の無い概念武装に近い攻撃だった。 魔法?そんなはずは無い。 世界には幾度も上書きされた宝具だって多い、特に大陸の接点である聖地以外ではほとんど西欧文明に 放逐されている。 ───中の地。 ──東。 ───南米。 ─北の地。 ───────最果ての島。 「アーチャー、大盤振る舞いしてあげるからアンタも隠していたものを吐き出しなさい。 令呪で援護してあげるわ」 「決めるのかマスター。ならばサーヴァントとして成そう」 約束された戦い。 約束された運命。 「滅ぼす相手よ全力をもって敬意を表します、行くぞ魔術師」 約束された勝利。 「螺旋」 「世迷言を! 虎vs虫、贋聖杯慎二 士(創造主の手vs暗殺者の手 afterギルガメッシュ 虎の手榴弾 サイレン、サイレン2、ゾンビの群れを黒鍵と法術シオンと両手拳銃の大河が殲滅。結構かっこいい。 森の中、歩いて抜けた城については。ギルランサー、シオン。バーサス。 「馬鹿にしているのか?」 ★トラの目標、アインツベルンを血祭りに。せいぎみかたエミヤの汚したイリヤを思い知らせて・・・ 「わたしを母のように愛し父のように敬いなさい、さすればあなたの魂の傍らに居ます」 綺礼に変な教義教えられていたりするシオン、天然ぽい。 「それって献血したら酒場が開けるって言う、風ふけ桶屋の話し?でも気持ち悪い。 神父に騙されてるわよ士陰、でも顔とか食べれるのかな? じゃアンパンマンかーウマウマ♪」 能天気な虎、立ち向かう先には羽虫が 「」 ★「どうもはっきりしないな、つまり戦争参加者はつがいになればやり易くなると言うのだろ?」 「おー」「今のは感心する所なのか?」「不利になるとすれば」 前・押されるがランサーは近づけた。 中・蟲は王を気にしつつ思考して慎重を選ぶ、一時撤退。 後・虎のライフルの援護に、クーフリンは一歩前へ、 ★そろそろ本当にシオンの歪をあらわしていこうと思う。 アインツベルンの城、地下への入り口にて 「分かった先に行く」 「裏切るかもしれないとか思わないの?」 「じゃあ私は後ろから刺すわ」 綺礼に育てられたのだ、ひん曲がり様は突き抜けている。 口からは皮肉しか出ないけど実行するとなれば「助けて」と言われて助けないはずない。 だってシオンの本質は「助けられ」「助ける」者なんだ。 ★ここまで。丁寧に。簡潔に。描写すること。 巨大な剣が氷のように溶けていく、地面が熱されたフライパンみたいになっているかのよう。 佐々木小次郎× セイバー× アーチャー×「マスター了解した」この世界は守護者などいらないようだ。サーヴァントエミヤとして 力貸そう。 ハサン。アサシン× 蟲× ギルガメッシュ○「必ずしも扉が我が背後あるとは限らぬ、鍵である使ってあければ」無限砲台と化す。 意外な場面での偽アサシン贋流との vs 燕返し(蟲)vs蜻蛉切り(言峰) 私は美しい絵画なのだろう、しかし考え尽くされた景色というものは奇妙である意味グロテスクだ。 生えている木の一本とっても木の陰、枝の成長、葉の大きさなどからその印象は拭い去ること出来ない。 自然に人を慄かせる、怪奇のそれだ。 魔術師の業で生きたままにした材料を、集めて淀みをすくう そして出来る透明な赤から造られた人造人間。 私の種の養分となった彼らは血に似た何かになり、その池は森のなかにあった。 引き上げられた時には胸に剣が刺さり ●ギ一旦撤退。 バトルは多少、 シオンの細身の剣、 キィンと澄んだ音、 自在に軽やかに、しなやかに、王者のそれではない。対照的な乱舞。 「無理を通せば道理が引っ込む、そういう風に生きると決めた。それが私の」 ■伏線 シオンはランサーのマスターを知っていて、ライダーには話さずにいた。 ほかには、凛は桜に疑惑もちつつ見逃していた。 アサシンはキャスターへ、凛は葛木へ、臓硯は慎二に・・・桜はキリツグを頼り 虎は葛木、そして凛。 →   ●    →となる。 綺礼はギとラと、桜とキリツグ。 (しゅ)主の(し)死はそれぞれに、ライダーはセイバーとかランサーとか。 バーサーカーは寺の門に竜を食べ憑き、 綾子は黒い場所へ。 虎は先生殺しの生徒・凛と会う。あう。・ああうううあう。 ランサー、ライダー。互い、このすべてを、今に賭けて。 参加者はもはや、正規ではいないも同然。 アインツベルンは三名、ランサーと、ライダーと、セイバー。 アサシンと。 つわもの(兵)たちが半数還り、人も半数に減り、それでも涙を流してはいけない。 王は再び神へと挑む。 言峰 しゅ セイバー しゅ