『危険な仲間達だけのディナー、フルコースをレトルトで』後編 ・・・三時間後。 そこには二人に洗脳されビョウキが感染し暴走する絹旗の姿が! あのあと、フレンダの肢体の魅力を大いに語られて心底納得してしまった結果、どこぞの風紀委員に勝るとも劣らない 変態と言う名の淑女が爆誕することとなったのだ。 ・・・そして。 自分が四六時中フレンダの無防備なセクシーショットを拝めるポジションにいること気がつき 「アイテムに自分の居場所があって本当に良かったと思います」と絹旗は語ってしまう。 ただし、エスカレートする猥談にはついていけず、顔を真っ赤にして慌ててお風呂に逃げ込むと熱いシャワーを浴びてわ りとあっさり正気に戻ってしまった。 湯船に浸かって考えたのは、フレンダを色目で見てしまった罪悪感で鬱々としたが二人の正体を知ったことは幸運だと思 い直し、策謀する二人からフレンダを守るために奔走する決意をかためた。 「うう、うぁぁぁぁぁ・・・フレンダごめんなさい。 あやうく人として道を踏み外すところでした。でもですよ、でも!本当におそろしいのはあの二人じゃなくてフレンダ なんですよ?まったく意識してなかった私を狂わせるほどの魅力は犯罪なんです!それじゃ仕方ないですよ!うん。」 いまさっきの狂態が本人に伝わるわけでもないのにぶつぶつと言い訳をしていた。 「ふぅ、お風呂あがりましたよー。次は誰が入りますか?」 了解も得ず先に湯をもらったことを二人に謝ったが返事がない。 不思議に思ってリビングを入るとすぐに後悔した、今日のテンションの二人を放置したのは失敗だったらしい。 なぜなら、女所帯とはいえ主にフレンダの活躍により整理整頓されていたはずのリビングにはフリーマーケットみたいに 物が所狭しと並べられていて、はしゃぐ二人の行為はとても見せられないよ! 「くんかくんか」 「すんすん」 「なにしてるんですか!なにシテるンだよっ! あぁーンッ!?ヘンタイどもがっフレンダのパンツやブラでなにすンダァァーッッ!!!」 ゴンッバキッ、ゴスっ!ゴツッ!!! 「な、なによー」 「いたい」 頭をどつかれ沈んだふたりに仁王立ちする可愛いパジャマ姿のょぅι゛ょ。 どこぞの第一位のような荒っぽくて特徴的な罵詈雑言でふたりを退治した。 久しぶりに長い時間の空き、アジトの整理整頓はフレンダ任せなのでどこに何があるのやら 共用は多くある。 家事、衛生、化粧品はそれぞれが持つものあいまいで誰かが使ったとかで喧嘩になることもある。 ただし、フレンダの口にしたプリンは除く。 ただし、フレンダのプライベートは除く。 ただし、フレンダの私物は除く。 ただし、フレンダのry) 安心安全なアジトで略奪にあう可哀想なアイテムの最底辺、実の所コアである。最重要人物フレンダ。 「家捜しはじめるわよ」 「「おー」」 そこにはすっかり馴染んだ最愛を含めた三人の変態がいた。 本当の夜の部が始まった。 「今頃はフレンダは何をしてるんですかねー、わたしは恋愛相談だと」 「ないない」 「ないよ」 「すぐ否定しますよね、ふたりとも」 「もしかしたら居るかもしれないじゃないですか?気になってる一人や二人、あんなに人たらしなんですから本当に気に 入った相手なら私たちにも紹介するとは思いますが、それまでは知らないところでアプローチされてても分かりませんし 秘密のデートとか麦野に邪魔されると思って上手に隠しててもおかしくないですよ」 それを杞憂と鼻で笑って、口をゆがめて獰猛で攻撃的な口調で言い切った。 「ねぇーよ」 「また自信満々に答えますね。 別行動するときは目が届かないのにすべて分かってると言えるんですか?」 「まぁいいか。コレ見なさい」 取り出した携帯を示す。 学園都市製の高機能端末だ、性能の凄いところは絹旗も知っているがどうしてここでそれを出す? 「じゃあちょっと聞いてみるか」 「まさか盗聴?」 「やっぱりね、麦野は変態で悪人だとわかってたよ?」 「言うじゃないの?滝壺そういうあんただってさぁ!」 時代劇の悪代官と越後屋みたいに嬉々として、おぬしもワルよのぅとか言いあう。 変態淑女ふたりにあ然とする純粋無垢な少女の絹旗は置いてけぼり、端末を手に入れた説明する麦野は楽しそう。 「ああこれ?研究者にちょっと協力して貰った。学園都市に居る限りその人物の居る場所から体温、脈、呼吸までリアル タイムにわかるスグレモノよ。アハハ、これで色々悪戯ができるでしょ。電話越しであろうと、フレンダの精神状態すみ ずみまでまさぐる様に把握しておくの。フレンダの息づかいハァハァ・・・体だけじゃなくて心まで征服するにはお前の ことは何でも知ってるぞ、ってね。ほらね!必要でしょう?素敵でしょ!」 「うわぁ・・・超ストーカーですね」 「AIMストーカの私もドン引き」 「さてといつもこの時間はお風呂に・・・ちっ、はずしてるな。 あいつのことだから一緒に風呂でもはいってる?まだ出会って間もないのにこれはどういうこと!? こんなに早く、私とは入ってくれなかったのに!」 「さすがのフレンダも全裸首輪プレイは秘密にするとおもうよ」 「正直それを見た佐天涙子がいたたまれませんよ。無能力者で置き去りだとフレンダから聞いた時、ここのリーダーは頭 がおかしくなってて、人死が頻繁に出るところだと超鬱になりましたからね」 「・・・そうよね」 「考えてもみてください、笑ったりしないフレンダが他の暗部で使い捨てられてる様を。 そんなことは絶対に許せません」 「ごめんなさい。フレンダ。わたしのはじめての友達。」 想像してしまったのか落ち込む麦野。 orzでここにいないとはいえフレンダに謝ったのがすこし驚いたが、聞こえないフリする絹旗。 すこし泣いてすらいるようだし、責めた絹旗もこれ以上いけないと思って話を戻す。 うしろでなにやら滝壺がむぎのかわいいとテカテカしてたが無視する。 「・・・で、携帯はどうなってるんですか? 盗聴くらいできるようにしてありそうですが」 「まぁ・・・ね、首輪と携帯だけじゃないわよ。そのうち日頃の労働の対価として一見かわいらしい暗器のひとつもあげ ようと思ってたのよ。最初のプレゼントが首輪になっちゃったけど」 「フレンダが敵を暗殺?バットか果物ナイフぐらいしか使えないし、護身としてしか使わない気がするんですが。 本人の知らない間に本当に色々してるんですね」 「アイテムに所属している以上、無能力者とはいえ使えないやつにはそれなりの装備が必要よ。 盗聴器を仕掛けたのは事実、だが私は謝らない。 アイテムを守るためにフレンダにはプライバシーを犠牲にしてもらった方が良いと、リーダーの私が決めたの。 いいこと!誰もいない時はどうするのよ?決して私がいつでもフレンダの声を聞きたいとかじゃないのよ!? 危険な狼たちがわたしのフレンダを襲わないように監視して守るためにしてるだけよ」 最後ホンネ出てねェ? 心配していると正直に言えばいいのに、このツンデレ超めんどくせー。 バレたら一緒に謝ってあげますから、綺麗に折りたたまれた衣類やフレンダの私物を漁りながら言わないでください。 これが真面目な顔してすることですかっ!こっちがへこみます。 「先制攻撃はそんな事態を防ぐために必要だし、潜在的な脅威に対する攻撃は自衛の範疇に入り総括理事会ひいては学園 都市への反逆にはならないとアイテム三頭会議も全会一致で判断したでしょう。あんたも居たじゃないの!」 「そんなことありましたっけ?」 「居たよ。きぬはたが来たばかりころに長々とむずかしい言い回しで頷かせてた」 それってもしかして、顔合わせ初日の深夜まで及んだ契約交渉のこと? 眠かったのに真剣に聞いたのにこんなことに利用するために誤魔化されてたらしい、悪辣すぎるでしょう? 超悔しいんですけど、このアホ麦のんに全力で殴りかかってもかまいませんよね? 絹旗最愛がまだフレンダに攻略されていなかったときにまで、そんなことをしているとはフレンダへの過保護っぷりは越 えてはいけない一線を軽く越えていた。 「携帯データチェックのつづき」 「写真データのコピーしてるからちょっと待ってろ。買い物メモばかりかよ、知らない奴のメールと連絡先は増えてない みたいね。でもいつのまに三位のプロフィール揃えてあるんだ?変ね?」 「佐天とアドレス交換したんでしょう。ああ見えてミーハーな所が結構ありますかねフレンダは」 「まぁ御坂ならいいか」 「そうだね、でも浮気を『していないという証拠』がみつかるまでこのガサいれは終わらないよ」 悪魔の証明を理由に蹂躙されるのフレンダの私物。 アイテムでは全力でこき使われ、セクハラ拘束され性的に搾取されているのに裏切り浮気まで疑ってはないけど やっぱり押し倒しちゃうんだ。だってプライド高く支配欲と女たちだから。 プライバシーまで、心や穏やかに泣く たいしたものではないが、いつもこうして小物がいくつか紛失することになる。そう、いつも。 「ん、かわいい」 「ぱくんな」 「見つけたのは私です。それにフレンダは似合う私にくれるはずです」 「ちがうよ絹旗、わたしとお揃いに買ったからフレンダのものだよ」 「くっ、いつのまに。ペア・・・フレンダしペア」 「だから似合いませんって!麦野よりは滝壺さんに預けて置きます、これプレゼントですか?」 「そう。 あの時のデートは楽しかった」 「ショッピングだろ、デート言うな」 仲間思いの仲悪いひとたち。 いつもスマートに仕事をする暗部、アイテムの3人と同一人物とは思えない。 「あいまいな態度で否定することが重要なんですよね、含みを持たせることによって言外に知っているぞと 脅しになります。心胆を寒からしめることが出来るのですよ」 「その確率は非常に高いです」 どうしてその結論に至った? フレンダが老若男女問わずモテてるという未確認情報が連絡人からもたらされた。 彼女がモテていると思うという人は、学園都市のとある施設で101パーセントにのぼった。 「危険な佐天さんがフレンダのスカートをめくろうとすれば、アイテムの危険が危ない」 もちろん危険とは歩く大量破壊兵器こと麦野沈利のことである。 佐天涙子は地味に命の危機だったわけよ。 「本当はどうなんですか?答えてください」 「言うわ正直に」 「・・・むぎの」 「溜まった時はてっとりばやく、いちいち下着とか漁るよりも いちゃもんつけてフレンダの体を貪って背徳的な快楽を堪能したいです」 とんでもなく外道なことを、恋する乙女の仕草で告白した麦野。 もうヤダこのリーダー。 あっ、絹旗ちやんの目がするどくなった。   って呼ばれてるんだ。 でもまだ被害者は発生していないぞ。いったいどんな事件を と言うんだ。 さぁ始まるぞ最愛ちゃんの名推理が 目つきわるっ。 「日頃のフレンダの献身に答えてあげただけなの、泣き顔までかわいいのがいけないのよ! いじめて泣かせたのは自分なのに、慰めてやりたいと思わざる得ない。・・・性的な意味で」 「うわっきもい、きもい。麦野の笑顔が怖いじゃなくてきもい」 「しかたないね」 「何だよ!仕方ねーだろがよ全然わたしは悪くない、悪くないどころかむしろイイんだ! 全部フレンダのせいだ、もぅ何トチ狂ったこと言ってもあいつが超絶かわいすぎんのがいけない罪なんだよ!」 「それは、そうですけど・・・」 「そうだね」 心あたりがあるのかコクコクと同意する滝壺と説得されかかる絹旗。 そもそも麦野がフレンダに 「なんて言うか、その・・・・・・欲情しちゃてね。 無垢に笑うあいつに惚れてさ。馬鹿みたいに求めたんだ、ガキみたいに私がさ」 「許しましょう」 「え?いいの?私ずっと私欲であんたたちを騙してたのに」 「本人じゃありませんし、知ったらきっと逃亡するフレンダを手伝いますけどね」 「ありがとう。ありがとぉー」 純情乙女な麦野は超気持ちわるい、とフレンダと同じ酷いことを考えていた絹旗。にししと笑って許した理由は、主に 放置しておいても自分に害はないことと滝壺が黒い空気を出して麦野の背後にまわったのが見えていたからだ。 それに気がついておらず、絹旗に抱きついて頬ずりして感謝してる麦のん。 許さなかったもう一人に羽交い絞めにされると、半泣きでますます絹旗にすがった・・・。不覚にも意外と可愛かった。 「むぎの」 「え?なに、なんなのよ、ぅ?ぅあ・・・」 「麦野、こんやはねかさないよ」 「い、いやよ。そんなバキッバキに拳を鳴らして来んな!来るなって!」 「乱暴にしないからね?」 「そういう問題じゃねぇ何でそんなに笑顔で酷いことができるの! 滝壺あんた悪魔よ!虐待反対!いじめはイケナイよ?」 「逝こ?」 凛々しく覚醒した瞳と綺麗な眉で爽やかに言った滝壺理后。 これに逆らったら明日の太陽は拝めないぞと本能が警告している、麦野沈利はニコリと微笑んで誤魔化すしか無かった。 「やめてよ、ねっ?きーぬーは、たぁ・・・たすけて」 「ダメだよー?」 「すみませんが、私じゃムリです」 ここにフレンダが居たら滝壺を止められたのだろうが、麦野への慈愛がそこまで深くなかったので見捨てた。 許さないよー、と宙を舞った麦のんにHit!Hit!Hit!Hit!Hit!コンボが繋がる。 「ぎゃぁぁ、あっ、あっあっ!許して!お願い!」 「その指どうなってるんですか?」 「いやぁぁぁぁっ!!」 もっと艶っぽい声を聞かせろ、とおっしゃりますか麦野さん。 麦のんのライフワーク ○フレンダを命がけで守る ○フレンダが可愛くてついつい泣かせてしまう ○フレンダで驚かせたり怖がらせて遊ぶ ○フレンダを追跡し観察する、滝壺のAIMストーカー ○フレンダを盗聴し盗撮する、 ○フレンダを拉致監禁 ○フレンダに衣服、アクセサリー、首輪をプレゼントする ○フレンダにトラウマを植えつける ○フレンダに家事全般をさせる ○フレンダのファースト、フレンチ、ディープを奪う ○フレンダからサバ缶を奪う ○フレンダから人生をプレゼントさせる ○フレンダと仲がいい人間に嫉妬する ○フレンダと仲良く入浴就寝 ○フレンダをくんかくんかする、もふもふイイ匂いだなあ ○フレンダと朝チュンする ○フレンダにオシオキをしたら記憶が飛んでしまうので遠慮なくヤれる ○フレンダが楽しそうに笑ってるとつい微笑んでしまう ◆登場人物 ★滝壺理后…よく食べよく戦うブロンティストじゃなく、健康的で天然の浜面の嫁。意外に黒くなってもうた、いつのま にか麦野を出し抜いてフレンダに手を出してたり、他のフラグからフレンダを守ることも多々。 不思議ちゃんってこれでいいのか?黙って押しが強そうな攻めがいいのだと思う。 「大丈夫だよフレンダ。そんなフレンダをわたしはねらってる」 ★絹旗最愛…フレンダがピュアに育てた愛娘であるが・・・天然の滝壺や、麦野が役立たずの甲斐性なしになった時には 突っ込み担当をしっかり一人で頑張っている。フレンダの鈍感ボケには言うまでもない。 ただ少し安定しない。ですます口調で遠慮していては超s麦野と極s滝壺に勝てる気がしない。 「だれがお母さんですかっ!?わふーじゃないです、超子供扱いしないでください!」 ★麦野沈利…フレンダの配偶者。大黒柱、夫である。暗部落ちのときに一世一代のプロポーズという告白をしたつもりだ ったのに、スルーされ大して態度が変わらないフレンダに今日も振り回されているヘタレ甲斐性なし。 デレをスルーされた結果がコレだよ!はっちゃけ具合がむずかしいがデレデレでクンカな麦野をかきたい。 「てめぇら全員○○て○してやるッてんだろうがよォ、オラッ!」 ★フレンダ…麦野にとってのお姫様。照れ隠しに首輪をもらって馴染んじゃった人、暗部アイテムの良心でありフォロー を心がけている奴隷という名の愛妻である。夫、娘、2号さんと同居している。 出落ちとして、登場したらすぐにベッドに押し倒されてそう。 「むぎ、のぉっ・・・・・あっ」 「はあはあ」 「結局、わたしだけのけ者ってわけよ。ぐすん」 経験的に懐疑的。 「もうだめだぁ、おしまいなんだぁ・・・」←これ使われやすいセリフなのかしら?