カモミールを間に挟んで二人をまんまと騙しきった。やった!ちうの勝利だっぴーん! ネギ先生が中々納得してくれなかったけど、神楽坂明日菜がすんなりと首輪に縄つけて籠の中へに入れた。 厄介者あつかいされて千雨に渡されるカモミール。 さっさと二人に礼を言うとくるりと背を向け別れた。 見えない顔のその口は半円形に笑みを浮かべていたが、もちろん二人にはわからなかった。 「良かったー、飼い主が見つかって。 一度納得した私が言うのも変だけど、長谷川が飼い主に見えたんだから良いわよね?ネギ?」 「・・・カモくんにも事情があった思うんです。ううん、長谷川さんがペットを飼いたくて カモくんが善意で同居してるということだってありますよね?」 「ないわよ。・・・はぁ、そんなに気になるんだったら追いかけて部屋を訪ねたら? ネギはあの泥棒オコジョと知り合いなんでしょーけど。 冤罪なんて言っても、下着ドロなんて風呂嫌いの子ども以上に嫌!男の風上にも置けないわ。 高畑先生みたいな渋くてかっこいい紳士とは月とスッポンよ!いえ、蟻んコとかサルモネラ菌かしら」 「そこまで言わなくても。なら、今度ぼくがカモくんの様子を見てきます。 妖精だってことを隠してるんですよ、きっと僕にだって言えない事情があると思うんです」 「確かに泥棒の事情なんて知らなそうねえ。あんたガキだし、こども・・・まぁそれはいいわ。 それより長谷川も、なにか・・・おかしくなかった?あの様子じゃオコジョが魔法の勧誘してるかもねー」 困って泣きそうな頼りない先生と嬉しそうに笑う生徒。 いじわる言う明日菜は保護者代わり居ないと駄目なネギに提案した。 「いいわ私も一緒に行ってさ、もしもの時は説得ぐらいしてあの下着ドロを引き渡してもらお!」 「え?え、え?引き渡すって」 「檻に入れてウェールズに送り返してやるわ、破廉恥オコジョには制裁しとかないと。 冗談よ、半分はね」 「えぇー!困ります!カモくんが来てくれたのに。 ・・・でもやっぱり、長谷川さんにはやく返してもらいに行かないと。 どーして飼われているのかも話してもらってないですからね」 すこし考えれば、性格が変わった長谷川にしゃべるオコジョ妖精との出会いが関係ないはずない。 魔法を使ってみたいと思って、もしかしたら既に魔法の練習でもしてるかもしれないのだ。 あのオコジョが魔法教えれるとは思えないけど。 「そ、そんなー」 「大丈夫よたぶんネギが魔法使いってことは知らないはず、知っていても 私達と互いに知らないふりすると思うわ。あのオコジョが何を考えてるかはしらないけど」 一晩縛り付けておいたオコジョがよたよた歩いて嘆く。 予想通りのお仕置きタイム。 ぶらーん、吊り下げられてるカモミール。家庭菜園のツルに巻かれて、最初は口をふさがれつつも 暴れていたが千雨が一切無視しつづけて八時間も放置された。 たまに首輪がぎゅぎゅっ、と絞まってはゆっくり元に戻り、いつ窒息死するのか分からないまま八時間。 カモにとって人生のなかで一番長い時間だった。 「あれ?まだ生きてたのか、すっかり忘れてた」 部屋の主が外出してからも何も無いところから物音がしたりして怖かった長谷川千雨の私室。 ルームメイトが居ないので独占している中々の悪。 この魔窟に食料として保存されるじゃないかと考えはじめていたカモ。 帰ってきて、存在忘れていたと言われ天然のドSだと理解するまで時間はかからない。 死刑執行まで時間をもうけることで精神的に追い詰めるとは、なかなか趣味がよろしい『魔女』だ。 「腹の虫がないてる。私のじゃないってコトは・・・お前か」 「・・・・(目がかすんできやがったぜ、ネギの兄貴。 おいらはもう駄目だ、たった一日で寿命も肝っ玉も縮んだ。この悪魔、極悪魔女・・・・)」 クークー鳴くお腹、掛け時計を見ると少し早いが夕食時になってた。 散々遊んでくれた玩具に飽きたので感謝の気持ちで後片付け、カモをぐいっと持つ。 特等席という感じのペットの檻に入れられて2、3の花束が、弱ってるので元気になぁれと探してきてやったのだ。 ・・・オコジョ妖精が何を食べるのか知らないらしい。 いやまさか妖精と言ったので花の蜜で生きてると思っているのかも? こういうところ長谷川千雨は素直で、わりと天然なのだ。 食わないのかー?と様子を見ていたが自分もそろそろ夕御飯、キッチンに入って直ぐにいいにおい。 食品サンプルのような完璧さの洋食が出来上がった。実に楽で簡単なゲームのシステムを導入したキッチンではあり得ない速度で食品アイテムが完成するのだ。そして、わざわざカモミールの目の前で夕食とる待遇。家族だからねっ?魔王さまとオコジョ妖精はずっと友だよ! 「空きっ腹のおいらの目の前で美味そうに食いやがって。嫌がらせを自然にやりやがって、この性悪! うまそう、くれっ!おいらにも、一口でもいいから!あっ、あっー全部無くなった。完食しやがった・・・」 「ごちそうさまっ。 ん、なに見てるんだ。メシか」 さっきまで、ブランコこいで暴れもごもご文句を言っていたが疲れたのか 今日一日走り回ったせいか静かになったが、カモの口はふさがれてても垂れるヨダレに眉をひそめる。 餓死のほうがはやい気がしてきた。 「さて、腹もへったろ。 最後の晩餐をくわせてやろう」 鍋を持って飛び上がり空中で一回転、ぐるんと回って上下反転して足から天井に。 重力変化で床から天井に移動する。 入っているスープも飛び散らず天井に置かれた。 「食っていいぞ」 「え?あ、あんた・・・誤解してってぇぇぇぇぇぇぇ!?くわ、くわれるぅぅぅ!!!」 カモは空腹で限界だった。 毒の可能性も考えず飛びつくより早く完熟トマトとナスが凶悪な口をあけて裂けた口で魔女鍋スープを飲み始めた。わらわらと鍋に群がっている。 「なんだ!こいつら生きていやがったのか! 今日一日中、だれも部屋の中に居ないのに監視されてる気がしたのは、これか!なんだこいつヤルのか! こらっ、うっ、ベタベタする…」 ガチガチと歯を鳴らすトマト、ナスはカモミールの指さした手ごとかぶりついた。 おっかない見た目ほど攻撃力はないみたいで痛くない。しかし新鮮野菜に齧られそうになる経験は初めてだ。 「そーだ。 お前が逃げ出そうとしたりしたら攻撃するように言っておいたんだよ。ほらお前も食わないとなくなるぞ」 「食っていいんだな!?」 「反省していたらしいからな。お前のことは先生に知られてるし神楽坂にも、今日話しをした。 私のペットだから死なせちゃーなー、お子さま先生がストーカー教師に転職すると」 仕方ねー飼うか、笑って許してやるぜと言う千雨 するとカモはおそるおそる暴れるナスの隣で食事をはじめた。 最後はトマトと喧嘩になって千雨が本物の雷落としてビリビリして黒焦げなる。 「ぎゃー!!!」 「トマト潰すな、これ明日のサンドウィッチの材料にするのに。 【雨雲】『もこもこ』風呂へこいつ持っていって豪雨で洗っておけ」 千雨の怒りとともに詠唱召喚されたもの、カモの頭上に発生したモクモク黒くて小さな雲。 千雨の言葉にうなづいたように蠢きカモを吸い込んで風呂へ移動していった。 『もこもこ』という、この洗濯機代わりの便利な魔法生物はかなり重宝していた。 【雷雲】【風雲】もいるが部屋では使えないので活躍していない、だから愛称持ちは【雨雲】だけだ。 ・・・最も活躍している【雪雲】はずっと冷蔵庫にいるが可哀想な事に半分忘れられていた。 −---------------------------------------------------------------------------------------------+ てっきり空き部屋だと思って忍び込んだカモ。 罠に引っかかって壁に取り込まれていた。 「なんだコレ」 壁からしっぽ掴んで引っこ抜いて逆さまのカモ、 「ぅぁぁぁ・・・・・死ぬかと思ったぜ、なんだ姉さん。 魔法使いなんだろトラップでおいらを捕まえるとは」 「知るかそんなもん。泥棒なんだな。 そうだお前、ちうの下僕になれ」 掃除しておけ。 「家の番人作らないと、そろそろ工房もかたちになって来たし侵入者が今後ないとも言い切れないからな」 それで材料を集めていたら泥棒に入られた。 ◆本文 部屋が手狭になったら異空間に広げればいいが、すこしばかり太陽光降り注ぐ土地が欲しかった。 散歩がてら広場に足を向けていた。 「『巨大』な樹だよな、世界樹っぽい」 見上げたのは誰一人不思議と思わない麻帆良の象徴、世界が変われども命と奇跡をもたらす世界樹そのものである。 「都市魔術の起点として丁度いいし利用しない手はないな、よし!」 かつて長谷川千雨の一般常識は魔法によって矯正されず、それが千雨の性格に多大な影響を及ぼし 一時はネットアイドルなる存在へと導いて安定をみせた。 今、ここでは正反対のことが起ころうとしている。 『魔女』となって還ってきた彼女は学園に牙をつきたてる、 一度曲がった『矯正認識』は元に戻せず、ひねりが 加わって跳ね返されようとしていた。 「誰もいないな」 魔法によって立つもの魔法によって倒れる。 力のみを競う虚しさよ。 力だけが勝利を掴みとれる。 「さてと加工させてもらうぜ。 01001000010111000101111101011011110010000000000100101110」 直後、暴風が発生しあたりを飲み込む。 千雨が世界樹という奇跡創造装置に打ち込んだ『魔法』は、皮肉にも自分自身を苦しめたものと同じ性質でそれを逆手に とった自覚はなかっただろうが、魔法使いたちへの復讐となった。 この世界には『魔法』も『奇跡』も"無い"んだから、無垢な長谷川千雨 魔女となった千雨には経験があった、かつてはあらゆる手管を使って壊れた世界を再構成し勇者を裏から操っていたのだ から巨大な都市級魔法のひとつの程度など朝飯前である。 「わたしの魔法で書き換えさせてもらうぜ、大樹よ答えよ! 私と専属契約せよ!なに私ひとりのための魔力なんて微々たるもんだろ、資源の無駄遣いをやめて節約しよーぜ?なぁ? なんか知らんがこのままじゃ立ち枯れちゃうだろ?」 千雨は麻帆良の結界、そして世界のすべて根幹を書き換えた! --------- 身持ちも硬そうな堅物のシスター、直属の上司。 しゃーくてぃーの小言に反抗的態度をしていたらサボっていたパトロールに行くことになってしまった。 「反省してまーすよ?わたしが真面目に働いてもー、あんまり役立たないしー、口煩い人に小言貰うしー、 ただでさえ少ない意欲がー」 「あ?」 「ヒィッ!い、行きます!パトロール行きます!」 「ふふ、いいのですよ?ここでじっくり今までどれだけ怠惰を貪ってきたのか懺悔させてあげても。 今夜から半年ぐらい悪夢にみるくらいのの恐怖体験を植えつけてあげても」 「いやぁぁぁぁぁぁっ、行ってきますぅっ!うわぁぁぁ!」 笑顔でマジギレした上司の般若顔にビビリ逃げ出した。 説教受けるよりは働いたほうがマシだよ、あーあ今日はとびきりの昼寝日和だったのになー。 こうなってしまっては仕方がない、多少まじめにパトロールしないと後が怖かった。 サボりの罰なので一人で行わないと半人前とかちくちく言われるかもしれないし。 そんなことを考えて、麻帆良の警備を勤める幾人かの知り合いに連絡を入れて一般人の安全を守るためパトロールをする。 走るのは得意で素早く移動し安全を確認していくと。 「ありゃ珍しい客がいる」 前方およそ250メートル、指定進入禁止区域内に人影を発見する。 足を止め観察するとクラスメートの一般人で、彼女は確か…時々だけど、ふらりと魔法を無視する特殊体質 らしいと聞いたような?…運命なのか今まで危険なものとは会わずにスルーして抜け出していたり、たまに 魔法先生や警備を目撃していたと聞いてる。 「うー、気が進まないっ!でも追跡するっスよ。 また気がつかないまま来ちゃったんスかねー千雨ちゃん」 一歩が数十メートルもの高速移動で人気のない浄化結界区域を彼女の方に駆け出した。 「はろー」 「お、春日か。なんか珍しい服着てるけど」 「初めて見せたけど見習いシスターなんスよ、驚きました?」 街角、ただし麻帆良の敵対呪術師が呪いかけてちょっぴり危険な場所になってしまった場所。 人払いと浄化の結界の中で誰ひとり会わないのに不思議には思わなかったらしい。 麻帆良、そしてあのクラスで不思議なことをスルーする能力が鍛えられているかもしれない。 「ふーん。似合わないなぁ…確か春日って陸上部じゃなかったか?」 「お世辞でもかわいいって言うところでしょ、ヒドっ!…そんなことより今日は何処に行くつもりだったんですか? ちょいと気になります」 「え?あ…そうだな、散歩してるだけだったんだけど迷ったみたいだ」 「あはは〜困っていたんなら私が道案内するっス、人助けしたらシスターに褒めてもらえますし 怠けてないって口実で、わたしと話しながら帰らない?」 「でも…」 クラスメイトならず今まで人避けてきた長谷川千雨の性格を考慮し、強引に誘うと逃げられてしまうのは まずかろうと仕事だからと口にしておく。 ここから出るルートに付き添う理由を話してみたものの、変な奴と思われたのかも? いやいや、シスター姿のクラスメートと一緒は恥ずかしがられてるのかも? 「私はちっとも迷惑じゃないっス」 「なら…行くか」 親切の押し売りをなんとかOK貰えてホッとしつつ、話題は何にしようかと考えていると。 珍しいことに千雨から話しかけてきた。 「春日はシスターなんだよな?じゃあ回復魔法とか使えたりするのか?」 「へっ?」 「ん、おかしなこと言ったか?ほら手を当ててさヒールとか」 「それは、無いっ。無いっスよーあははー」 え、長谷川ってこんな性格だっけ? 身振り手振りで魔法とか言っちゃう人でしたっけ?クラスメイト観察してて分からなかったとか不覚だなぁ。 「弟子だったな、じゃあシスターに習ってないのか。このわたしの目を見て否定してみてくれよ」 「それは…ぁ、あは。もう長谷川ってば冗談言うんです、ね・・アレ?」 「いいからこっち見てくれ。 痛くしないぞ、嘘つきは私が見定める魔眼で正直になろーなー」 「だから、まほ、ん、んっ!?麻帆良の、教会のシスターは」 あっぶねー、さらりと魔法と言わされそうになってた。 え?なにこの長谷川って性格違わなくない?回復魔法ヒールとかTVゲームとか好きな人でしたっけ? うぬぬ、話変えないと私のラブリーな小動物的本能が警鐘鳴らしてるぜぇ…。 「ちょっと待ち、待って。何かおかしいから、この場所のせい…か…な」 「かかったか?リラックスして近くでわたしの目をしっかり見てくれ」 「…はぁ。眼鏡取って魔眼発動っスかー」ぽやー 「そうそう分かってるじゃないか」 なんだか聞かれたら、なんでも答えなきゃいけない気持ちになってきちゃったス。 えー・・・これ凄い、長谷川の目って綺麗なんすねー。 めがね無しだとエライ美人になるって卑怯じゃんか。 真面目にお仕事するより、長谷川の瞳を見ながら遊びたい気分になっちゃった。一緒にお昼寝してみないでッス? 「まずは、私を見つけて来たらしいけど何でこのあたりは人が居ないんだ?」 「そんなことはどーでもいいっス、長谷川はどーしてそんなに魅力的なんですかね? 私と二人きりで居ちゃ駄目ですか?ねー」 「【魅了瞳】って同性にも効いたか?効果出るまで時間差あったなー、かかりが悪いのか分からんが 正直に答えさせるの大変そうだなぁ…」 千雨の脳内では呪いの効果音が鳴り、めんどくさいイベントが発生したのだと知った。 袖を引っ張る春日は笑ってる。 【newイベント→見習いシスターに捕まってしまった背信行為で堕楽させよ悪魔のおしごとです報酬こいつの魂】 「ねぇー千雨ちゃんってば、聞いてる? わたくし美空とラヴってもいいっスよねぇー?こんなに千雨ちゃんだし」 おや珍しい。 イベントで報酬が確定されていることは稀だ、たぶん本当に悪魔からの仕事依頼なのだろう。 この世界にも悪魔がいるらしい。 まぁ『ゲーム』もあったし居るのだろう。 こんな半人前シスターでも、敵対する陣営からの引き抜き成功したら美味しいと思われているのか。 言動がだいぶおかしくなって来ている美空、ネジ一本抜けてしまったようだ。 可憐なシスター服には神秘性あるはずなのに今の状態ではコスプレ落第だ、そんな失礼な本心の千雨。 「こんなに千雨なのに、ってバカにしてるだろ?聞きたかないがそれはlikeの意味で?」 「ラヴって言ってるじゃんloveだよ」 「親愛の愛だな?」 「人の愛することを主は禁じてない、だから一緒に落ちよう?どーせーあい!」 「・・・セリフ陥落してるぜ、このシスターの魂は報酬になるのか? ちょっ、触るな!えろ親父かてめえは!」 「えー、けちー」 残念なシスターと化した春日美空、 には申し訳ないが【魅了瞳】チャームを真正面から不意打ちしたが様子がおかしい。 魅了された相手が言うこと聞かずに欲望丸出しでアタックしてくるのだ。 千雨のゲームソフト由来の特殊能力は現実では幾分か変質し、万能ではないようだった。 こうなるとあんなに体がバラバラになってからの再生さえした身体能力も意外と弱点があるかもしれない。 千雨の魔眼もゲームでは特殊イベントのアイテムで防ぐことが出来たりしたし、そのアイテムは回収済みで 勇者サマに使わせなかったけどな。 そんな千雨は配下の悪魔にも鬼、悪魔、ちう!悪女だとか魔女だとか言われてた。 「わたしのいうことをきけー、かすがー」 「あははー横暴っスねーシスターみたいっス」 …わかった。 いつも春日美空はシスターにもこんな風にのれんに腕押しだから、素直じゃないんだ、耐性ついてるんだ。 わたしの部下にもこんな奴いたぞ? 墓守ゾンビって言う奴で脳溶けてて融通利かなかった、イベントボス周辺のプログラミングはしっかりしておかないとだぜ。 「あははー痛い痛い、長谷川やめてー」 この怠惰シスターにも役割があるのか?疑問だ。 頬を引っ張り、袖を放させようとしても余計にべったりしてきて離れなくなった。 そういえば、こいつシスターだぞ。だったら魔法に抵抗力あるんじゃねーか? 今さら春日の怠け者シスターのステータスを考慮に入れた。 現実の魔法とゲームの魔法、同じだなんて甘い考えだと戒めておく。 「魔法教えてくれたらケーキでもつくってやるから、な?」 「手作り?」 「そうだ。MP回復するやつ。ボーナスに解毒もつけてやる」 面白い言い方で甘味を釣り餌にして私をゲットするつもりだな、うーんゲーム好きなんすかねー、でもケーキかー。 あとで魔法で誤魔化せばいいしー。 にまー 「魔法教える約束するからこのまま一緒に帰りましょーぜ、うふふ、あはは」 「酩酊状態になってる春日なら部屋の中を見せても良いか、シスターひとりご案内するぜ」 「さぁ行きましょー」 お持ち帰り。 「ん?これは・・」 図書館島、地下にいた人物は麻帆良の根源が千雨の魔法に上書きされたことを理解できた人間の一人だった。 湖を構成していた本棚が崩壊をはじめたのを見れば何かが起きたことはわかる。 ズシン!ドドドッ! 音は大きくなり天井が抜けようとしている中、ドラゴンや魔法の書籍を回収し脱出をすることになってしまった。 図書館島の唐突なる最後が始まっていた。 「まずいですね、ここも沈んでしまいます。 学園長も忙しいでしょうけど連絡だけはしておきますか」 崩壊していく地下空間、神秘が彩るダンジョンだった場所から抜け出して地上に出る。 湖上、数百メートル先に転移した彼が見たのは底が抜けた図書館島だった。上層部では魔法先生たちが一般生徒たちを 救助していく様子がみえている、内部は実力者たちしかいないので怪我人は少ないだろうが復旧は当分先だろうか。 感覚で二度と戻らないと理解もしていた。 テレパシーで麻帆良の長と連絡をとり、現場に変装して混じることにする。 「これはまずいですね。ゲートは消えてますね」 「・・・ええ学園長、わたしです。図書館島が沈みました。 冗談ではないですよ他の重要拠点は知りませんが何者かが襲撃を、しかも我々の理解できない方法をもってしてきたと いうことでしょうが、わたしは表立って動けない立場なのは理解してます。しかし救助は行いますから」 近場の広場には非常識な早さで対策本部が設置されようとしていた。 これが麻帆良の強みであり、混乱しつつも魔法関係者が集まっていたので彼も姿を変えて足をむけた。 「高畑先生!」 「警戒態勢はつづけてください、いいですね戦力は見えませんが白昼に敵が事を起こしたとなれば重大な」 「先生わたしの魔法が!つかえない、つかえないんです!」 集まってきた魔法生徒たちの指揮をとっていた、その一人が泣いて言う。 錯乱しているようだし肩を掴んで落ちつかせる。 「なんだって、それは・・・他にはいないのか? 君は落ち着いて待機していたほうがいい、今は動けないが私たちと交代するまで休憩をしておきなさい」 のちに判明することになるが、幻術など認識魔法が変質した結界によってキャンセルされてしまうことがわかる。 今は高畑のような身体強化の魔法は普段から使っている分、抵抗が少なく負荷がかかっても気にせず使えたが 麻帆良の戦力の大部分を占める魔法生徒。中にはまったく魔法を使えなくなってしまった者が多く出た。 「」 幾人かの魔法生徒たちの聞き取りと実際使用させてみてわかった調査の結果、魔法は使えなくなったのはではなく魔力の 変換効率が低下したことが原因らしい。 彼らの魔法は無くならなかったが、本国ほどではないにしても温室として機能している麻帆良学園都市で活躍できないの は痛い。全戦力の半数、予備戦力として数えているだけの人物もいるが即座に無力化されたも同然の現状では なんの慰めにもならない。 数が把握できているので情報封鎖できたのは良かったが、現場で頼りにされていた魔法先生クラスは今までどおりの実力 が発揮できるし、敵にも対応できるだろうが・・・事情を知る魔法生徒たちがしていたフォローがなくなる。 「それで原因は未だわからず」 「はい」 「これは外周部に行くほど先生たちが頑張ってくれていますので」 襲撃者はいまだ現れず、である。 「被害は中心部に集中しています」 もっとも強く魔法が使える場所、地下深くのゲートや世界樹がある麻帆良の中心部。 そのなか、一人の先生が発言する。 「あの、これは」 指をさすのは 「世界樹です」 円形に広がっている被害の中心部には見慣れた巨大樹、この事実に顔を諌めるのは 麻帆良の成り立ちを知る人間たち。あの巨大樹が原因だと一筋縄ではいかないだろう。 イベント参加者を急募します! 正義を叫びながら相手に暴力をふるうだけの簡単なお仕事です!反撃されたら数で囲めば押し潰せます、その際に 本当は殴りたくないとか友達だとか平和を愛してると発言するとボーナス! 本物の魔法使いなどいるわけ無いじゃん、マジシャンですCGです。証拠に空も飛べません。 家庭菜園編、お隣はエヴァ・・・は安易すぎるので楓、とか 魔法使いたちは神秘崩壊した麻帆良の秩序維持に掛かりっきりだし、エヴァも登校地獄がとけてる感じで忙しい。 「おや、こんなところで会うとは奇遇でござるな」 森の一角に『迷いの森ver5.0』を設置してつくったテリトリー。 私の家庭菜園、歩く野菜たちの楽園に侵入者がいた。 「ドロボー!コラ、逃げるなー! 野菜泥棒!水槍人参なんて根こそぎじゃねーか!」 抵抗してガジガジ手を噛む野菜たちをポコポコ倒して風呂敷に詰め込んでいるくノ一を発見した。 見覚えある長身細目のクラスメイト、長瀬楓だった。 忍者のサバイバルスキルが遺憾なく発揮されている。 足元で逃げだそうとした赤いキノコが真っ二つ、どこぞのイタリア人配管工じゃあるまいし、そんなの相手じゃ1UPとかしないぞ。 少しは、その、女の子?・・・乙女として口開ける凶暴な見た目の野菜を食べる勇気を持たないでほしい・・・途中に焚き火があったが、こいつが野宿してたのか。 少し前に千雨の設置したラビリンス『迷いの森ver5.0』の性能が遺憾なく発揮され、閉じ込められていたらしい。 「いやぁ迷ってしまいまして。数日は何とか出ようと考えたのでござるが襲いかかってくる生き物たちを 食料にしてるうちに忘れてしまって・・・不幸中の幸いで携帯は通じたので学校には連絡できてたのでござる。 救出隊かとおもいきや一般人のはずの長谷川どのと会うとは」 「野生の忍者がいるとは麻帆良学園は広いな、狩ったらどんなアイテム落とすかな? 似てるけど別人だろ?お前をこんなに簡単に制圧できるはずないもんな」 「痛た、捕まったしまうとは。なんという怪力、いやいや本当に長谷川千雨とは別人?了解でござる」 ぐー 「腹減ったのか?」 「・・・すまぬ長谷川どの」 まぁそうだろうな。 いくら無限湧きするとはいえ歩く栗や空飛ぶキノコだけでは物足りないし、世界樹にイタズラしてから 何故か休んでるクラスメイトが多かった。長瀬はすでに一週間くらいクラスに来ていなかった気がする。 わたしが菜園の主だとバレると厄介だ、納得させる話をしないと付きまとわれそうである。 「山菜うどんを食わせてやる。まぁ・・・いいか、罠とか壊れてたのはお前だろ?食わせてやるから後で修復手伝えよ」 「それは楽しみでござる」 「まず山菜」 「ちょっと待つでござる、うどんはここで作るには道具が無いのでは」 数日間、おもしろ野菜だけで生きていた楓が言うのも何だが料理道具がない。 千雨の手荷物は山菜が入ってるだろう袋のみ。 「私のキャンプがもうちょっと行った所に、あ」 足元に目敏く見つけた山菜を手に入れる、食材が増えた。 群生してるところ目印に木に傷つけるサバイバルスキル高いの長瀬楓。 「アウトドア派でござるなー、きのこの見分け方と採り方もご存知であるし…偽者?」 「残念ながら長谷川千雨本人だよ。 頭のてっぺんから指先に至るまでな、背丈も風貌も変装してるように見えるか?」 「拙者が未熟者で、今まで騙されていたのでござろう。 知り合い程度には知ってるつもりだった長谷川殿に」 「ついたぞ」 歩いて5分もしないうちにキャンプが見えた。 まだ迷いの森から出たわけでもない、不思議空間の繋ぎ目と道順に首をひねっていた長瀬楓に食材調理をさせる。 千雨は熱湯を用意した。 「水を、このくらい湯にして。煉獄ていどなら一気に熱湯だ」 「…それは魔法でござろう?」 「長瀬は忍者でいいんだよな?」 「違うでござる、ここは何も見なかったということで」 「分かったよ」 「ところで濃いつゆ、で良いのでござるか?出来たら辛味を」 「調味料あるから長瀬があわせてもいいぞ」 「了解でござる」 女性二人前ならそんなに量はいらないが近くに川もないので魔法で用意した。 森の中で火を使い、煙を上げるのはキャンプの醍醐味だが長瀬が食欲に前のめり態勢で見てくるので ササッと麺を茹でていく。和食なら味つけ任せていいらしい、人参に細工して見た目にも期待できそうだ。 半分コにされた人参が歩いてなければ食欲そそるのだが。 「上手なもんだ。あとクナイに刺さった逃走人参は畑に戻ろうとしてるだけだから逃がしてやれ」 「ふむ。やはり、そうなのでござるか。 しかし拙者もしたくて野菜泥棒したわけではないでござる、あの辺りから出られず奇妙奇天烈な 野菜を食べる前は倒れそうになってたでござるよ」 「そいつら持ち帰ろうとしてたら出られねーよ、この森は」 「やっぱりでござるかー」 侵入者撃退は出来ない菜園の野菜たち、森を焼き払えば出られるだろうが広範囲の火炎魔法でもない限り無理だろう。 『迷いの森ver5.0』は厄介な迷宮なのだ。 力押し脳筋の勇者の野郎が5ヶ月もウロチョロしてて、自ら誘導して抜けさせてやった思い出が蘇る。 あの時は哀れにも踊る大根たちがダース単位で狩られていたな。 「千雨どのー、いい湯加減だとジェスチャーするキノコが箸に掴まってくるのでござるがー」 「突付き落とせよ、そいつは野良キノコだ。 森の中をふわふわ飛んで人の邪魔をするだけで食べても害はないぞ、構ってちゃんな性格だ」 「一思いにざっくり、ぬっ!白刃取り!?こやつ強敵でござるよ!」 「おい食べ物と遊ぶな長瀬!料理しろよ・・」 図書館島の大崩壊以来、麻帆良では新たに不思議な現象が確認され始めている。 どこでも発生するモンスターとも言えない存在、夜になると街の路地裏で顔を見せるそいつ、影絵ネコ。 見た目は猫の影で、動きも猫そのもの。 箒で叩くくらいの攻撃でも受けると消えてしまうし、猫騙しですら驚いて消えるという存在。 にゃぁーん、ぽんっ 「少しかわいそー、猫が好きな人は嫌がるかも?弱くて敵ですら無いしー」 「無害みたいだけど油断はできないですよ。 本当はこいつらを観察して原因究明したいんだけどね。 魔法使えないし、はぁ、深追い出来ないです」 ため息つく魔法生徒、彼女たちは今は弱体化しててマジックアイテムに頼っていた。 そんな有り様なので危険度が少ない仕事を任されている。 まだ立ち直れない魔法生徒も多いので人手が足りないのだ。 「あっ、まだ居た!」 この影絵ネコの対処法はできてる、追い散らすだけでいいのだ。 猫の集会を開いて、ニャーニャー鳴き声が近所迷惑になるだけの微妙な被害がなので全て退治しなくてもいい。 ちなみに本物の猫と違ってしっぽをたてても怒ってない、逃亡する臆病な魔物?生物?らしい。 都市伝説には怪物や亡霊が登場し、住人たち・・・主に学生たちを怖がらせるものだが 麻帆良は学園都市なので七不思議と組み合わさってこることが多い。 そのなかで新しく生まれた噂がある。 図書館島の崩壊、事故は予言されていたものである。とか 呪いを受けた。とか 学生たちが走れなくなったので遅刻が大きく増えたり、事故が起きて電車が遅延したり さすがに死者は出ていないらしい。何故か目撃される過労死しそうな教師たちとか。 「治癒魔法、使えなかったら労災認定ですよ」 「いや、こちらも見たことのない幽鬼やモンスターが湧いてて昨日は酷かったよ」 陸上部員たちの記録が桁違いに遅くなるなかで、以前の記録のままの生徒が 注目され退部してしまったりと 麻帆良全域で発生する神秘、その効果は住む魔法使いたちが知らず受けていた恩恵。 それが消えた、代わりに起こる事件の数々。 今は混乱しているがやがて原因と犯人探しがされて、巨大樹が注目されるのも近いだろう。 「させないぜ、どんどん配置しておいてやる」 千雨は自分が追跡されること見越して、あの『ゲーム』からキャラボスモンスターやら 呪われたアイテムをバラ撒いていた。 中には麻帆良の外敵、獅子中の不穏分子がパワーアップするだろう変数もある。 『悪魔の行動にプラス、襲撃と地形変化』 『格闘大会の順当で意外な勝者』 『英雄の虚像をキャンセル』 タロットカードのようなそれらは伏せられ時間が来たら発動するトラップ。 魔法生物を作り出し、モンスターを配置し、罠を並べてとてもありきたりなイベントたちを 現実世界でプログラミングする『ゲーム』の時となにも変わらない作業だ。 しかし今度は最短ルートで袋小路バグに追い詰めておいた、悪辣で見事な仕事だ。 「あは、ははっ!コレは酷いゲームですね! わたしのゲームはクリアさせねーよ!散々苦労してさ身動きできない場所に落っちゃえよ!」 長谷川千雨は笑って悪の企みを称えていた。 報復を受ける自称正義の魔法使いたちに合掌ですね!この悪どい計画に人生めちゃめちゃにされた一般人がいたことを思い知るように。 何人生き残れるかな、麻帆良から逃げれば命は助かることに気がつくかな? 無理だろ、魔法という特権でやりたい放題してきたんだ。 「今日も致命的なエラーで、回復魔法Bクラスが消えましたっと」 パソコンに表示されてる樹形図とプロセスマップ、時系列に解析された魔法が消えて恩恵がなくなる。 地球から消滅した西洋魔法の数々、陰陽道や精霊魔法は失われていない。 「本拠地、西洋魔法の力の源泉が火星にあるなら壊せば良い。 異世界転移を成し遂げた私がたかが惑星に手が出せないと? オールトの雲から少し拝借して、ちょっと大きい石の塊を投げつけただけだよ?投石ごときに潰される神秘とか」 先日からNASAが地球にも来るのではないかと言ってたが、私はノーコンじゃないから患部に直撃させてるよ。心配しないで。 戦の赤い星、降り注ぐ隕石の天体ショーが西洋魔法を終わらせる。 強力な魔法を扱えた魔法生徒は 一般人たちに目に見える形で 占い師 小人や妖精の噂 ピエロ 未知の言語で話しかけてくる大男 吸血鬼の下僕を名乗る女子生徒たち 仮面をつけた変態、もとい怪人 朝の公園でしか会えない謎かけ師父 世界が壊れ始めて、変なものが面白いものに食べられた。 強風でもないのにカラカラと音を立てて転がる空き缶がひとつ、不自然なほど長距離を移動していた。 それを見つけ追跡する見回り中だった魔法先生が一人。 闇討ちされて消えた。 「釣り成功。何度も何度も同じ手にゃのに、もしかして馬鹿にゃのかな?」 そいつは人語を解する猫だった。 メイドロボが確かに餌付けしていた一匹で喋ったりなどしなかったはず。 「んー・・・失敗でもいいけど、みんな変わっちゃったからアルバイトするのもいいもんにゃー」 「そうか。」 ポケットから出した小魚与えて世間話する黒猫と魔女。 地道に一人ずつ魔法関係者たち。せいぜい都市ひとつの管理にすぎないのでコアになる10人を落とされた時点で 崩壊は決まっていた。 「魔法を失った彼らが麻帆良の秩序を維持していたのは確かだ。強さは抜きん出たものではなかったけれど」 「復帰は絶望視されています。何より記憶が戻らないのが・・・無理矢理にでも現場を見て理解してもらえれば」 「それは無理だ。オコジョ刑を行う 本国との連絡がつかない」 記憶消去が何よりも恐ろしい 罪 世界樹 たどり着けない眼の前の巨大樹、遠回りして行くことになる道順は 正義の魔法使いが見逃してはならない。 そんな事件が発生していた。 事故で車と電柱に挟まっていたり、急病人が元気に話しかけてきたり、していた。 現実ではイラッとさせる 【newイベント→可哀想な人たちが居ます保護してください具体的には足止め役ですが無視してはいけません】 「まてーわたしをみすてないでー」 「たすけてー!たすけるべきー!」 「助けやすいように並んでるんだから、ひとりずつ手を貸しなさい!ほら!」 棒読みだったり、高飛車だったりと危機感のかけらもない声で呼び止めてきた彼ら。 ごく普通の一般市民に見えた。 しかし怪しさ隠そうともしない、正体ばれてる足止め役たちによって何人もの魔法先生たちが 強制転移の罠に落とされる。多勢無勢の上、こちらは手を出せない隙があったのだが間抜けな話だ。 「何者かの陰謀を感じる」 「これでは世界樹に触れることすら出来んよ、空を飛んでショートカット出来ればいいのだが」 すでに鳥の使い魔が犠牲になっている。 長くペットとして飼ってて半分魔法生物となっていたのが仇となった、斥力で飛んでいたのだろうか? 犠牲になった鳥を調べて判明したことは 世界樹のマナが一定で高さでシャボン玉みたいに濃密なポイントがあること。斥力 魔力の塊のそれに接触すると気絶、飼い主まで汚染されてしまう可能性もあること。 件の使い魔は墜落死する羽目になったのでショックで魔法生徒は不登校になっていた。 「犬が行けば帰ってこない、猫はすでに使い魔の契約が切れてる」 「かわりに知らなかった生徒が超能力と言って物を浮かせたり、これでは手におえません」 魔法消失ではない、弱くなっただけだ。 もしかしたら超能力、透視能力、予知が麻帆良の結界によって生まれたのかもしれない。 調査しようとする者を近づけさせない世界樹。 今まで受けてきた恩恵をようやく実感した。 「檻に猛獣を入れたつもりになってた私たちこそが鉄格子に幽閉されていた、時代遅れの魔法使いだった」 予定07  エヴァが600歳の年齢相応の怖い存在となっていたり、悪の魔法使いや超能力者たちが問題起こして秩序は破壊された。それが加速していく、魔法使いが支配した学園都市から超常現象がすべてを支配するアナーキストたちの楽園へ。  始まりの鐘は鳴り、図書館島の崩壊。  決してたどり着けない世界樹と魔法の弱体化。  現実を侵食する『ゲーム』 何人かの元魔法生徒、先生たちを手駒にエヴァが王国建設に踏み出す。 高音Dグッドマン、超メイ・リン、源しずな、このあたりか。 そして『ゲーム』から自宅の城を引き出してきてドカンと地下に建設する千雨。 やがて二人は互いが麻帆良の覇権を争うのだと考えるようになっていたけど、ネギはかわらず 本編つづけようとしていたが大事件が発生する。 魔法世界がプチッと潰れたのを確認、世界各地で溢れでて来た生き残った僅かな人や魔物やら怪物。確認された。 核兵器の乱れ打ちに勝てなかった造物主ファミリー、やったのは米帝のとこの悪魔。 なんだか知らないうちに『ゲーム』を創りだした悪魔が米帝さんとこで大活躍してた。 魔法世界の陰謀が強烈なしっぺ返しがおこっていた。そのつながりで英国の魔法学校も制圧されて悪魔製造の人間牧場に。そも日本や英国よりアメリカがすべてを支配してる現在だし。